飛び交うツバメ

 今日も8時半には二階に上がってドライバーを打った。いつも、練習前にはベランダにスポンジマットを敷いて、上を向いて寝てストレッチから始める。

 

 上空にはツバメが10羽ほど、思い思いの軌跡を残して飛んでいる。素晴らしい景色だ。

 

 そもそも、地面に寝っ転がって上空を仰ぐという行為を、日頃からしている人は少ないと思う。

 

 冬場には、流星群を見るときもある。すべて親父が建ててくれた、この家のおかげだ。

 

 昭和28年7月の紀州大水害で家の中を濁流が貫通し、まともに住めなくなった家をだましだまし直して暮らしていたが、やはり限界を迎えて9年後の昭和37年に今の家を建てた。

 

 完成したのは私が小学校6年生の時だった。当時、親父は、炭焼きで生計を立てていて、資金も乏しかったが、兄弟5人の協力もあってコンクリートブロック製の家が完成した。

 

 今思えば、数度の自然災害に翻弄されたあげくに、水害対策で少し地面が高い家、台風で飛ばされない重いブロックの家、ベランダで遊べる家を残してくれた。ありがとうというしかない。