76回目の終戦記念日

 12時のサイレンと共に、東の空に向かって黙とうした。この家から二人の戦死者を出している。親父の兄、萬ヶ谷家の長男の勇と、祖父の弟、谷夫だ。

 

 いずれも20代の半ばで戦場に散っている。その無念は計り知れないが、私がここに戻って来てからは、この家の長男として墓守をしている。

 

 でもね。私が生まれる5年前に戦争は終わっていて、もちろん、この二人の姿は写真以外では見たこともない。いい加減にしてくれという気持ちも往々にしてある。

 

 いったい戦後はいつまで続くのか。戦争を知らない子供たちが70代を迎えているのだ。

 

 でも、北方領土問題、原爆補償問題、朝鮮半島の両国問題、中国の傍若無人問題と、未解決の難題は増えるばかり。

 

 おいおい、こっちが先に逝っちまうじゃないか。例えは悪いが、前米国大統領のトランプのような羅漢が現れて、とりあえず「盗んだ人は返してくれ」と、鬼の形相で北に迫って欲しいなあ。