メッキの刃

 「鬼滅の刃」竈門炭治郎は、私の子供の頃と一緒だった。炭焼きの家の長男に生まれて、子供の頃から鬼と戦っていた。

 

【第一話】

 それは哲(この物語の主人公)が、昭和35年の小学校4年の時だった。父の名は春次(しゅんじ)と言い、彼は萬ヶ谷家の次男として3月に生れたので、ついた名前だった。

 長男の勇は、太平洋戦争で、ニューギニアのマノクワリで全滅した部隊の一員だった。27歳で未婚のままだった。

 

 そんなこんなで萬ヶ谷家を継いだ春次は、当時、室河峠という、この地では「とどのつまり」をさらに、高く昇ったところで炭を焼いていた。当然、その息子は一労働力として、手伝いをしていた。(つづく)