なんで方丈記?

 今日の読売に「IT時代の休暇」という囲みがあって「ネット忘れ古典じっくり」という見出しが目に入った。そうだ方丈記を読もうと短絡した。午前中のソフトボールの練習から帰り、ネットで現代語訳付きの方丈記をアウトプットした。まったく便利な時代だ。誰かが親切に解釈してくれてネットに公開されて自由に取り出せる。
 午後のナナランドで一気に読んだ。「行く川の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず」から始まる名文は一部暗記しているが、最後まで読み理解したのは初めてだ。作者の鴨長明は正しくは「かものながあきら」と読むのだという新たな発見があった。53歳で京都の日野の山中に方丈の庵をかけ57歳で方丈記を完成させたとある。方丈とは一辺が1丈の庵でいわゆる4畳半の広さだった。
 前半は中世的な無常観をもって自身が体験した5大災害を描きこの世のはかなさと無常観を実証し、後半は庵の住環境や自身の生き様について感懐している。「人はどこから来てどこに去るのか」という永遠のテーマが1,000年前に語られている。なかなか新鮮な気持ちになった。
 ちなみに彼はその4年後に61歳で世を去っている。今の自分と同じ年ではないか。