119年目の快挙

 野球部創部が1905年(明治38年)の耐久高校。今年の若者19名が初めて甲子園の土を踏んだ。バス57台を連ねて、2000人を超える応援団も駆けつけた。

 

 低温、降雨、強風の中で試合は始まった。相手は千葉県代表の中央学院だ。部員90名の大所帯だが、今回が2度目の甲子園だ。

 

 前半は互角の戦いだったが、6回、7回に3点づつ取られて、耐久は1-7で敗退した。中央学院は甲子園初勝利だった。

 

 結果は一回戦敗退で残念だったが、100年を超える悲願が果たされて、これまで学校、野球、地域に関わった多くの人が、歓喜の涙を流した。

 

 野球部の応援歌を作詞作曲したOBの前田道治氏(87歳)もその一人だった。駐車場から球場まで歩くことが叶わず、車椅子での参加だった。

 

 それにつけても両チームに関係の薄いであろうネット裏の席が、他の対戦では見られないほど人で埋まっていた。「嘉永5年、ペリー来航の前年に開校172年の歴史」というコピーが、人を呼んだのか、それとも各地に及んだ先輩たちが席を埋めたのか?