男心に男が惚れて

 まるで仁侠映画のキャッチコピーのようだが「不器用ですから・・・」の健さんをイメージしてもらえばよい。

 OB会のゴルフ同好会の事務局をY会長から依頼されたのは2年前だった。その後春秋2回ずつ、計4回目のコンペをこの秋に有田東急で無事終えた。成績発表などの式次第のあとで、次期会長と事務局が発表されて、二人の役目は終わった。

 一昨日、そのY氏から電話があって、15時半に井関のローソンまで来てほしいという。5分前に着いたら、すでに到着していて「お礼に」と缶ビール1ケースを頂いた。

 Y氏は、丸善石油下津野球部の先輩で、箕島高校出身の横手投げのピッチャーだった。当時、蒼かった私は、精神面でいろいろとお世話になった。少し野球に倦んでいた頃「いつまでこんなことやらなあかんのやろ」と聞いたら「いつまでやれるかやぞ」と返してくれたことは、今も鮮明に覚えている。

 缶ビールに、封筒が添えられていた。開いてみると、氏の手による般若心経だった。あまりにも達筆で見事なので、氏には内緒で見て貰いたい。不器用どころじゃない。