人生最高の時間

 今回の小旅行の最大イベントのゴルフ対抗戦が本千葉カントリーで行われた。今回は東京から弟の治が初参加、若者チームの剛と将の豪快ショットに対抗しようという無謀な計画であったが、いきなり剛の300ヤードショットを見せつけられて、おじさんチームは「ここは飛距離よりもスコア作戦」に切り替えてスタートした。
 そうしたら、いきなりパーが取れて、気持ちよく2番のショートホールへ。ところがピッチングでのショットが左に引っかかって池の真ん中に。1ペナを払っての第2打が3メートルに着いて、このパットが入ってボギーで済んでやれやれ。治は出足から3ホール連続パーで「今日はお前ちょっとおかしいなあ」の口撃にもひるまず7番まで1オーバーで来た。剛はドライバーが高値安定して調子いい。将は夕べから今朝までディズニーランドで徹夜の仕事をこなしての参戦で眠いばかりでちょっと可愛そう。
 結果は剛が83(42,41)で優勝、私が85(44,41)、治も85(40,45)、将が101(49,52)だった。天気も良し、スコアも久しぶりの80台で、若者たちの豪快ショットも見れて最高の時間を過ごすことができた。
 その後、千葉そごうのレストラン街「柿安」で弟も交えて4人兄弟ファミリーで懇親会が開かれ、宮崎産黒毛和牛のすき焼きに舌鼓を打った。立ち昇る割り下が放つ匂いにたまらずに腹減り虫の将が早くも「めし、めし」とうるさい。釣られて剛も治までもが「めし、めし」。私は静かに「ビール、ビール、それから芋焼酎」の道を進んだ。
 お開き近くになってやおら剛が立ち上がり「おとんとおかんの結婚30周年を祝ってプレゼントがあります」と言って、お祝いをくれた。「ええー、聞いてないよおー」と妻と二人、一瞬うろたえたがみんなの拍手とともに素直に頂いた。ここの支払いもさせてくれなかったが、これまでの二人の人生で最高のいい気分にさせてくれた。(今、これを書いていてちょっとウルッと来た。遅い!)
 エベレストトレッキングを夫妻で果たした現在72歳の幸一叔父さんが「60代は人生の収穫期であった」と自分の人生を語ってくれたが、我々も「人生の実りの秋」の一年目から、いきなり贅沢な時間を過ごさせてもらっている。ありがたいことだ。

【柿安でいい気分】