恵方は東北東

 二十四節気のひとつ立春の前日で、古より季節の変わり目は邪気が入りやすいので気をつけなさいよと、さまざまな行事が行われてきた。

 

 ただ、豆をまいて鬼を払い、恵方を向いて巻きずしを丸かぶりし、さらにイワシの頭にかぶりつくという、現在のおかしな行いは、おそらく時代の変遷の中で、どこかの誰かが間違ってしまったに違いない。

 

 でも、伝統行事に忠実な妻は、いままでにない豪華な太巻きを作り、いつもの行商の小川庄の新鮮なイワシを焼いて食卓に乗せてくれたら、感謝しておいしく頂くしかない。