南南東に進路を取れ!

 2月3日は節分で、文字通り季節の節を分けて明日は立春となる。各地で邪気を払う豆まきの行事が行われた。通例では「鬼は外福は内」の掛け声だが、地方には「鬼は内、福は外」やら「鬼は内、福も内」という掛け声もあるとのことだ。
 日本の歴史学的には「鬼」は外来人だったと私は思っている。彼らが黄金の国ジパングを目指して九州から中国地方の日本海側に到着あるいは漂着して、それまで安穏に暮らしていた先住の日本人は脅威を覚えたが、やがて彼らとの交流過程で、いい人になったのか、あるいは赤鬼や青鬼になったのか、真実は日本の童話の中に残っているという歴史学者は多い。
 八岐大蛇(ヤマタノオロチ)伝説は世界中に似たような伝説が残る。日本ではこの大蛇を退治したスサノオノミコトは、当時イランにあったスーサという都市から海を渡ってきたので「スーサの王」から名付けられたという説があり非常に興味深い。
 そんなことを考えながら、母ちゃんが作ってくれた恵方巻を南南東に向かってほおばったら、具が一杯で超うまかった。
【今日の言葉】
長い間、海岸を見失うだけの覚悟がなければ、新大陸を発見することはできない。(アンドレ・ジッド:仏の作家)