93年の長寿を全う

 昭和5年生まれの母が逝った。終戦時は15歳、その3年後に中国戦線から帰還した父と結婚した。

 

 敗戦の日本には何にもない中で、18歳で男ばかりの家に嫁いで、炭焼きの主人を支えて4人の子供を生み、家事ばかりでなく山仕事もいとわず、働きづめに働いた人生だった。

 

 生まれた時代を恨むこともなく、がむしゃらに生きた人だった。それだけに厳しくて私には「やさしい人」のイメージはない。

 

 今日、悔やみに訪れた残り少ない姉妹の一人も「子供の頃から頭のええひとで、男勝りだった」と感心していた。

 

 ありがとう。あなたの髪の毛がたくさん残っていて、私にDNAを引き継いでくれたことにおおいに感謝する。明日は家族葬の通夜を営む。