ニフレルに触れられず

 久しぶりのツーリングは5名だった。初島のファミマを8時半に出発、順調に最初の休憩に阪和高速の岸和田SAに滑り込んだ。

 

 ところが、小さなカーブを曲がりながらバイク置き場の前でブレーキをかけたら、止まらない。前輪の右レバーは握り切ってスカスカ、フートブレーキもカスカスで、急遽一速にダウンして何とか止めた。

 

 スタンドを立ててよく見たら、ブレーキフルードのタンクが空のようで、この時点で、これより先には進めないと思った。他の4人には気にせずに予定の万博記念公園に行ってくれと見送った。

 

 ガソリンスタンドがあったので「ブレーキフルードはありませんか?」と聞いたら「置いてません。ブレーキフルードは特殊なオイルなので、他のオイルではダメだと思います」と言う。

 

 とりあえずBHBの店長に電話したら、これが出ない。奥さんに電話したら「彼は山田山にトライアルのコースづくりに行っている」と言う。

 

 結論。バイクは東京海上保険のロードサービスにレッカーを頼む。でも、人は運んでくれない。バス、電車で帰ることも考えたが、ちょうど和歌山市まで母ちゃんが来ているので、迎えを頼もうと決めた。

 

 ところが、教会の式の最中なのか、マナーモードでなかなか出てくれない。そのうちレッカーが着いて、バイクは先に湯浅に出発した。

 

 母ちゃんが来てくれたのは1時半だった。今思えば、トラブルが露見した場所が、SAの入り口で良かった。高速の途中や街中では、うろたえて事故になっていた可能性が大いにある。

 せっかく心臓を直したばかりなのに、父の日に大けがでもした日にゃ目も当てられない。きっと誰かが守ってくれたのだ。ありがとうございました。