今夜の蛍は今年一番

 夕食後に家の前の橋の上でしばし夕涼み。川下のM本家の屋敷の前で、ホタルの光がうねっていた。

 

 ホタルは、それぞれバラバラに光るのではなく、呼吸を合わせるように点滅を繰り返す。それが、微妙にずれてくるのでうねっているように見えるのだ。見たことのない人には一度は見せたい光景だ。

 

 そんな時に、一人の男性の影が近づいて「まがたにさんですよね?」と声をかけてきた。「私は猿川に住むTです。かつて中学校で教師してまして妹さんの一個下です」と自己紹介してくれた。

 

 それなら年齢は69歳なので、すでに公職は引退しているが、今夜は、この地区に住む中学生のホタルの調査日なので手伝いに来たという。

 

 へえー、ホタルの調査はやめてしまったと聞いていたのに続いているんだ。学校の廊下で養殖もしているという。

 

 平成17年(2005年)に日本学生科学省「中央審査・内閣総理大臣賞」を獲得した功績を、生徒数の減少(今は全校12名)の中でも、ボランティアの助けも借りつつ継続しているという嬉しい話に出会えた。