精霊馬と精霊牛

 お盆には「ご先祖の霊が、きゅうりの馬に乗って一刻も早く家に帰って来てもらい、少しでも長くこの世にいてもらいたい、帰る時にはなすの牛に乗って景色を楽しみながらゆっくりと帰ってもらいたい」という思いをこめて、小学生の夏休みの自由研究のようなしきたりがある。

 

 ところが、地域によっては「ゆっくり牛で来てもらい、さっさと馬で帰ってもらう」というところもあるという。

 

 コロナ蔓延の日本では、ご先祖はさることながら、子孫の帰省もままならず、3年目の夏を迎えた。

 

 そもそも、家内安全、五穀豊穣、疫病退散を祈る「お祭り」が、すっかり影を潜めて、今年も静かなお盆を迎えようとしている。

 

 せめて今年はLINE上で家族の無事を確認し合いたい。4分の3がアウトだったけど。