親切な税務署

 午前中に確定申告書を湯浅税務署に持ち込んだ。10時過ぎだったが、受付はがらんとしていて、私に気付いた中堅と思われる男性が対応してくれた。

 「申告書の提出です」と、いつものように、確定申告書、収支明細書と添付書類を出したら、ポンポンと受付印を押して控えを返してくれた。

 これが我が国の申告納税制度の実態で、書類を精査してとやかくいうことはない。むろん、脱税する意図などさらさらないが「これでいいのかよ?」という気は、かつて経理も担当していたものとしては若干ある。

 あまりにも拍子抜けだったので「ところでe-Taxてどうなの?」と電子申請について聞いてみた。

 すると、急に興味を示して「もしよかったら5分くらいで手続きできますが」というので、話に乗った。

 「実は、政府は莫大な費用をかけて電子申請を進めようとしたのですが、うまく進んでいないのです。写真入りのマイナンバーカードを作成することと、読み取り機の有料購入がネックになっているのです。私らも、いわば政府の一員ですので、だったらやめりゃいいとは言えずに、電子化を勧めるお話をしているのです」と本音を語ってくれた。

 で、税務署のパソコンで、これらのネックに関わることなく登録してくれて、来年からは電子申請できる準備をしてくれた。来年は、ネットでも紙でもどっちでもできる。