虚偽表示に喝!

 明日は早くも立冬だ。日曜日の雨の後はぐっと気温が下がるという予想だ。うんざりするほど暑かった夏も、台風でかき回された秋もたちまちに過ぎ去ろうとしている。巷にはすでにクリスマスの長靴が店頭にぶら下がり、年賀状のプリントサービスが出たり、おせちの予約受付が盛んだ。
 高級ホテルやデパート、レストランの虚偽表示がいもづる式に出てきた。いったいどうなっているんだ日本は。業界には必ずと言っていいほど横つながりの組織がある。例えば石油連盟、鉄鋼連盟、あるいはトラック協会などだ。当然ホテル、デパート、レストランにも同様の組織があるはずだ。そして年に何回かの総会があり、情報交換をしているはずだ。
 その席で「おたくもやっぱり小エビはすべて芝エビ表示ですよね」「ステーキ肉は当然結着剤でつなぎあわせているんでしょうね」「ブラックタイガーを車エビと言っても素人には分かりませんからねえ」などとの会話が、何年にもわたって交わされてきたのだろう。
 ふざけんじゃねえ。嘘に固められた社長が何度頭を下げても「老舗ののれん」を引きちぎってしまったという意識は感じられない。市中には善良な料理人が数多くいる。いつかは有名ホテルのチーフコックを夢見ているかもしれない彼らの「おいしいものを食べてもらいたい」という純粋な気持ちを裏切る行為に他ならない。