ステキな金縛りに期待

 「勤労感謝の日」は霧雨の朝で始まった。朝食後には夏に浸水させたオリンパスのデジカメを分解して、液晶に残った丸くて黒いお化けを蒸発させるために電気座布団の上にしばらく放置することにした。
 お昼前にネットでロマンシティのジストシネマの上映時間を調べて12:20分の「ステキな金縛り」に出かけた。席に着いて母ちゃんが「今日は多いんと違う?」と言った120人ほど入る第一シネマには15人ほどが座っていた。
 さて映画の内容だが、頻繁に流れるテレビでの前評判が私の脳の「笑点」を、すでに半分刺激していたので、確かに面白くはあったが物足りなかった。三谷作品は封切りのたびに見ているが、こいつははっきり言ってマンガだった。三谷作品には俳優の一流どころが出たがるらしいが、チョット出の佐藤にしろ、唐沢にしろ、それぞれ主役を張った今までの作品の評価と品位を下げている。(これは個人の感想です)

 人気番組「笑点」の名づけ親であり、初代司会の立川談志が亡くなった。ある落語家の持ちネタの回文「ダンシガシンダ」のまんまとなってしまった。少し斜に構えた視点で発する天才的な話術にはファンも多かったと思う。私もその一人であるが歯に衣を着せない毒舌がむしろ心地よかった。

 電気座布団の上に置いていたデジカメのお化けは、5時間後に復活させても消えていなかった。もし今夜、金縛りに会うとしたら西田敏行の汚らしい落ち武者ではなく、せめて主役の深津絵里か、最後に暴かれた真犯人の竹内結子に覆いかぶさってもらいたい。