濁流と遊びたい

 深夜から明け方にかけてすごい雨だった。7時前に広川ダムからのアナウンスがあって「7時半から毎秒40トンの放水をしますので川原に下りないでください。水位は1.5メートル上がります」とのことだった。
 7時前に傘を差してナナと散歩に出たが、前の川は放水前にかかわらず茶色い濁流が渦巻いていた。あちこちの田んぼから、降り過ぎて余った水が道にあふれ出て白い泡状の蛙の卵や浮き草などを流している。百姓にとっては水は命、平準化して降ってほしいのだが相手は超大自然、いわゆる天地を司る神様相手に小さな人間の願望などおこがましい。
 午前中に長野ツーリングの行程案をエクセルで作成していたが、二日目の復路が完成していなかったので作成し、12日用に5部だけプリントアウトした。
 夕方のテレビで急流をゴムボートで下るラフティングの映像が流れた。酔った勢いだが、この前の川を明日、ナナとゴムボートで下ったら楽しいかなと思って、ゴムボートを探したが見つかったのはダンボールの抜け殻だけだった。