また一人

 昨日、この区の住人が一人亡くなった。親父より4歳下のNさんは大正15年生まれの97歳だった。とても元気な方で、区の行事にも積極的に参加し、準備にも協力してくれた。

 

 最近は特養と病院の繰り返しだったが、一昨日退院してきたばかりで、容体が急転したということだった。

 

 「人生100年時代」と言われているが、決して明るい未来があるとは思えない。高齢者を支えるために、多くの若者が、年金制度の源資の下で働き、介護のために働いているが、現在の日本の労働収支は決して良いバランスではない。

 

 一家庭でもそれは歴然としている。家に高齢者がいるだけで行動が制約される。私も定年を迎えて「さあ、海外へも行きましょう」と、10年のパスポートを取り、旅行鞄を買ったが、一度も日の目を見ることなく、期限は切れ、鞄は埃をかぶったままだ。

 90歳を超えてピンピンしている人はごく稀なのだ。「野球野球吉田義男90歳」くらいのものだ。

 

 わたしもヨッサンを見習ってゴルフにスキーにと頑張っているけれど。