今夜は飲もうぜ

 もちろんWBC準決勝戦でのメキシコを下した日本の逆転勝利。すでに日本国民が勝利の美酒を味わいながら、繰り返し流れるビデオを見ていると思うが、やはり今日のヒーローも大谷だと思う。

 

 異才の「真田一休」大谷が、4対5のビハインドで最終回の先頭打者で、初球のボール球を左中間に弾き返した二塁打から始まる。

 

 冷静な大谷が、一塁を回ったところでヘルメットを脱ぎ飛ばし、二塁に到達したところで見せたガッツアクション。「おいー、俺を還せよー」というポーズ。

 

 これに応えて7回に起死回生の同点スリーランを放った4番吉田が四球で出塁、またしても村上に打順が回る。今日も3三振、さあ、どうする村上。

 

 ここで村上目が覚めた。「一球目から行くんだよ」の大谷のコンタクトに応えて初球を振った。打球はファールになったが、気持ちは昂っているのがわかった。そして、低めのボールを見逃しての3球目、甘く入ったシュートを一振した会心の打球はセンターの頭上を越えて、代走の周東を迎え入れて6対5の逆転サヨナラ打となった。

 

 気が付いている人は少ないと思うが、映像で逆転のホームへのスライディングをしているのは、二塁にいた大谷ではなく、一塁に代走で入った「走りのプロ」周東だ。

 

 村上のセンター方向への打球を見ながら「これは野手の頭を超える」と判断して、大谷に迫るところまで走っている場面が少しだけ写った。これもひとつのファインプレーだった。