再びの八斗蒔

 その昔、平家が壇ノ浦で源氏に敗れて敗残兵があちこちに逃げまくった。紀伊半島には落武者の隠れ里がいくらもある。あまりにもいい天気だったのでみんなで八斗蒔に紅葉を見に行った。標高800メートルくらいの峠付近は落武者達が粟やひえの種を八斗も蒔ける広さがあったというのでその名がついた。
 日常は誰も通らない林道で、台風や大雨のあとは道路に木の枝や石が散乱する山道だ。車の腹を小石でこすったり、枯枝をフェンダーに引っ掛けてズルズルと進んだり、難儀しながら初湯川(うぶゆがわ)から峠に上がり龍神村龍神に降りた。
 やっとのことで龍神街道(R371)に出て南下し、紀楽里龍神で昼食をとった。今日、高野龍神スカイラインではスピードの一斉取締りがあると新聞に載っていたので、駐車場にいたバイカーたちに「警察がでていたでしょ」とたずねたら「めっちゃいました」と返ってきた。


【見ごろには少し早い】