「け、毛虫、毛虫」と白髪の親父がレオグラードの風呂で叫んだ。洗い場で一緒に洗っていた私が横を見ると「毛虫」ではなく「ムカデ」が這っていた。「ムカデやないか」と言うとその男は「そや、ムカデやムカデや、おっきなムカデや」と言いつつ風呂桶のお尻でたたき殺そうとした。たかがムカデで大騒ぎするなよと思ったが、真っ裸の足元に触角をモゾモゾと動かしながら現れたらたいていの人はひるむ。ササッと足を這い上がり大切なあたりを噛まれたらただごとじゃない。一緒に来ていた大阪あたりの人らが一様に騒いでいたが、ムカデは無事絶命し難無きを得た。
いきなり裸で登場したが、今日はKに誘われてのゴルフだった。もう一人は簑島でビジネスホテルを営むK氏、二つ下の後輩だが、ゴルフをしながら携帯で営業をしていた。「おまえ遊びながら稼いでいるのか」と皮肉ってやったが動じなかった。
１１と８で９１。Kは相変わらず２と１の７５だった。彼は昨年決勝で逃したシニアチャンピオンに今年も挑戦するつもりだ。何とか彼の技術を盗んでやろうと注目してラウンドしたが、簡単に結果はでない。一つだけ収穫を言うならば「大きめのクラブを短く持って無茶ブリしない」ということか。何度か成功したが、最終ホールで９アイアンがグッショでグリーンオーバーしてボギーにした。ピッチングでよかった。
