そうたの希望で海釣りに出かけた。ところは煙樹ケ浜の西の端っこの磯、父春次が初めて魚釣りを体験したところだ。当時は、夜中に自転車で出かけて3時間ぐらいかかったらしいが、現代はエアコンの効いたハイエースで30分ほどで着く。
車を降りて砂浜を歩くこと5分、波が異常に荒い。どうやら台風の影響らしい。いつもは穏やかな波止へ波しぶきが上がって危険だ。仕方なくもう少し先に進んで、岩場の陰で影響の少ないところに陣取った。
しかし、波の満ち引きが強くて魚はいそうにない。とにかく気分だけでも味わってもらおうと仕掛けを作ってトライさせた。しばらくすると「釣れたーっ」と言う。針先に食らいついたのは小さなフグだった。初体験で釣れたのだから魚の名前は何でもよい。彼は成功体験をしたわけだ。そのあと、もう一度同じようなフグを釣った。
我々は岩にくっついたカメノテを引きちぎって収穫した。今夜のビールのつまみになるだろう。
【おや、ざしきわらしか?】
【どや顔のそうた】
【スカートの裾がびちょびちょ】
【映画の始まりのよう】
【最近多いまがいもの】