あぶさんが終わった

 愛読のビッグコミックオリジナルに連載中の水島新司あぶさんが最終回を迎えた。「最長にして至高のプロ野球漫画ここに完結・・・!!」と最後のタイトルにある。実に41年間に及ぶ連載だった。
 水島氏は最後の挨拶にこんなことを書いている。●野村監督率いる南海ホークスに、私は飲兵衛のスラッガー景浦安武を連れていきました。昭和48年1月、当時大阪府堺市にあった南海ホークスの中百舌鳥二軍球場を訪ね、入団交渉をしたのです。「飲兵衛は持続力はないが瞬発力はある。代打なら使えるかもな」と、野村監督は快く入団を了承してくれました。そして「パリーグの人気アップのためにも、ひとつ頑張ってくれ」と励ましの言葉も添えていただきました。●
 実は我が野球人生もあぶさんに重ねて過ごしてきた。遠征先の夜にはしこたま飲んで、旅館に帰ったらみんな寝ていてヨタついて監督やチームメイトの顔を踏みそうになりながら自分のふとんにたどり着き、翌日のゲームでは酒の匂いプンプンで打席に立ったことは数限りない。あぶさんは我が青春の記録そのものでもある。