ふるさとについて

 ラジオでは「今年の年末から正月にかけて9連休のところもある」というニュースを聞いて何も感じなくなった昨今だが、かつて一喜一憂した時代を懐かしく思い出す。あるときは広島であり、あるときは札幌であり、そして東京だった。
 今振り返ると年末年始は必ず帰省していた。管理部門ということで自由が利いたが、お客様のいる営業部門ではそうは行かなかっただろう。
 ただ一度、北海道の時に帰省しなかったことがあった。元旦から子供達を連れて真駒内にスキーに出かけた。この時ほど心の自由を感じたことはそれまでになかった。故郷があって年末に帰省するという行事が親子間の双方で慣例化していた時代だった。
 「ふるさと」という語感や曲のメロディが心にしみる日本人として、帰巣本能はDNAに織り込まれているのだろう。その時期が近づいている。