便利の裏側

 ネット販売が盛んになって本屋が窮地に立っているというニュースが流れた。もっぱらそのネット販売を利用しているものとしては十分頷ける。また、宅配業者もユーザーの細かいニーズに対応する為にロスの発生が多く営業利益を圧迫しているという。
 指定された時間内に配達してもたまたま留守だった為一度持ち帰って再訪問するとコストは二倍になる。誰かが便利にあるいは思うままになる裏側に、誰かが苦労し、コストがかさんでいる。サービスのレベルが上がるほど客はそれを当然と受け止めて、少しでも不備があると傲慢な態度をとり、業者はさらに知恵を絞る。しかし、それにも限度があろう。ここらで一度原点に帰って、あまりにも行き過ぎた「便利」を見直してもよさそうだ。
 「ハウスダストやダニを99%カットする」というフトン叩き●●コップという商品がバカ売れしている。コマーシャルでは怪物のようなダニの顕微鏡写真で驚かせ、フトンの天日干しではほとんど効果がないとあおられたら、買うしかないよなあ。買っていない者はまるで何億と言うダニとその死骸の中で寝ているような印象を受ける。
 でも、人間の身体にはその何億倍の微生物が存在し共生しているのだ。簡単に●●コップは買わないぞタカタ君。

【今日収穫した次郎柿、12個ついてた】