風立ちぬ

 今日は最高(最悪)の暑さだったのではなかろうか。午前中にチャリで水源など見回ったりしたら、気分が悪くなってトイレに飛び込んだが、汗が噴出して不快感この上ない。パソ部屋にこもってエアコンをかけて1時間ほどうつらうつらして回復を図った。
 ようやく人心地ついて部屋を出たら熱風地獄。そんな中でテレビを見ていた母ちゃんに映画「風立ちぬ」を見に行こうと提案した。婆ちゃんが美容院に行っていたので、終わって帰ってくるのと入れ違いに御坊のジストシネマに走った。
 零戦を設計した堀越二郎の物語を宮崎駿がアニメにした作品だ。百田尚樹の「永遠の0」を読み終えた後だったが、零戦の勇猛さや大戦の悲惨さとは別物のメルヘンチックな作品だった。
 どのような時代背景であろうと、人はこの世に生まれて何をするか。何をするために生まれてきたのか。そしてその期間は10年と短い。堀越は「美しい飛行機」を作った。それが彼が見た夢であり、夢の実現であった。結局は人を殺すための道具として使われたのだが、終盤の回顧シーンで「そして一機も帰ってこなかった」と言って幕を閉じる。戦争がない時代であったら、それはそれは夢のような美しい飛行機を作っていただろう。バックに流れる荒井由美の「ひこうき雲」が耳に残った。