3回目の鹿ヶ瀬峠

 いい天気だったので母ちゃんには何度も紹介している鹿ヶ瀬峠に挑んだ。俺とナナは三回目の挑戦だ。家を10時20分に出て、井関のローソンまで歩いてお茶とおにぎりを調達して少し戻って河瀬(ごのせ)から取り付いた。
 峠に向かうまでに12時のチャイムが鳴ってナナの「お昼ちょうだいコール」がひどくなったので「まあ、重い荷物を担ぎ上げるまでもないし」と、まだみかん畑があるところでおにぎりを食べた。相変わらずきつい坂を上って13時30分に着いた大峠には大きな椎の木がある。ナナを繋いでいたリードの紐で幹の周囲を測ったら5メートルもあった。今、計算したら直径は1.9メートルもある。いったいこの椎の木は何百年生きてきたのだろうか。
 大峠で少し休んで原谷に向かって降り、小峠で津木の猪谷に降りる道を確認して、例の1,000年前の石畳を通って金魚茶屋(今はつぶれている)に着いたのは14時だった。
 原谷には天気も良く暖かかったので老人が日向ぼっこしていた。「ええ、わんちゃんも一緒に超えてきたの?」と驚いた。それから、県道に戻って家に着いたら16時20分、実に6時間歩いた。まあ、休憩が都合30分として28キロは歩いたことになる。昔の人は偉かった。京都から江戸までを二週間で歩いたと言う距離を日数で割ったら1日35キロになる。まだまだだ。

【今は郵便局になっている旅籠後】

大峠の巨大椎の木】

【定番の石畳】