切手シートが一枚だけ

 比較的穏やかな天気で朝からみかんの剪定に出かけた。お昼前まで頑張って、あと少しのところで引き上げてきた。家に入る手前で12時の時報が鳴った。かあちゃんは予約の歯医者に出かけていたので一人で缶ビールを空けて昼飯を食った。ナナは待ちかねていて、お昼のビスケットを私の指をかみながらほおばった。
 夕方の散歩は、郵便局を経由することにした。先ほど母ちゃんが調べた200枚ほどの年賀状で当たっていたのは切手シート1枚だけだった。それを交換するためのコース取りだった。
 その帰りにいつものおまわりさんが運転するパトカーに出逢った。ちょっとおでぶの警官が出てきてナナは愛想を振りまいていたが「おまわりさん、その体型じゃ犯人を追っかけられないでしょ」と言いたいのをガマンしてお別れした。