出たものは何?

 昨日の夕方いつもの散歩に出た。ナナが交差点に来ると行きたくない方へは座り込んで抗議する。ナナのご希望で県道を室河峠の方に歩いて民家が途切れるところまで来て旧道に入った。この道は幼少の頃父母の炭焼きの手伝いで父が引く大八車の後ろを押して歩いた道だ。道幅は2メートルほどだが当時では十分だった。今は室河トンネルができて日高郡と通じているが、それまではとどのつまりであった。炭窯はトンネルの入口あたりから山に登り、峠に近いところにあった。途中に何基かの苔むした墓がある何とも不気味なところだった。
 さて、旧道から県道に戻った時に妻が「今、後ろで何か動いた!」と叫んだ。「何が出た?」と聞くと「動物的なもの!」と言う。旧道への入口に回ると防御用のネットが揺れている。ひっかかっていたのは雌鹿だった。私とナナの姿を見た鹿はあせりまくってそれでもネットからすり抜けて下の田んぼに落ちて、痛そうに山に帰って行った。鳥獣による農作物の被害が和歌山県でも跡を絶たない。

【山に逃げる鹿】

【丁重にお断りしているのだが】