レアメタルとレアアース

 ゴルフのドライバーのフェイスはレアメタルのチタンでできている。レアとは希少なという意味で当然高価なものになる。軽くてさびにくく抜群の強度があるので航空機のボデーにも使われている。尖閣諸島問題からレアメタルの輸出規制を行っている中国はレアメタル大国である。レアアースに至っては世界の90%の産出量を誇る。今注目されているレアメタル太陽電池や液晶ディスプレイに使用されるインジウムガリウム、セレン、そして電気自動車のバッテリーや携帯電話の電池に使用されるリチウム、排ガス浄化装置に使われるロジウム、パラジウムと白金だ。レアアースではコンピュータのハードディスクや自動車のモーター、医療のMRIなどに必要な強力な磁石を作るネオジムとジスプロシウムだ。これからは電気自動車の時代になり、リチウムは2050年には現在の20倍が必要になるとみられている。
 人間は実にこの地球から様々なものを掘り出してきた。文明初期の銅、鉄からガラス、セメント、そして石油。そしてまた人間の知恵で様々なものを作り出してきた。1985年に初めて充電できるリチウムイオン電池を開発したのは日本人で、旭化成エレクトロニクスの吉野彰博士である。今では世界で年間10億個以上のリチウムイオン電池が生産されている。(情報源は科学雑誌Newton3月号から)