ああ、もったいない

 土曜日の午前中に、川原に捨てていたみかんの剪定枝を燃やした。会社にいた頃の書類も不要になったので炊きつけにした。いつか要るだろうと持ち歩いていた資料や名刺であったが、会社を離れたら「なーんにもいらない」ことがよく分かった。細い枝を束にしたみかんは、とてもよく燃えた。勢いづいた炎の上に、腕の太さの枝を放り込むと、さらに勢いよく煙と熱気が空に舞い上がる。この火力をただCO2の発生源にするだけではもったいないなあと思いながら8割ほど燃やした頃に、一度休んでナナを散歩に連れて行った。途中でSに出会った。Sは「広川を愛する会」を主宰し(たぶん)川沿いの自分の土地を提供して遊び場を作っている。ここに、最近パンやピザが焼ける石釜を作って試運転中であった。「みかんの剪定した枝は釜で使えるか」と聞いたら「製材の廃材などはすすや匂いがあって使えない。潅木がいちばんいいのだ、特にみかんがいいのでみかん農家にもらいにいこうと思っている」との答えだった。しまったあ、先に聞けばよかった。何年も掛かって大きくなった枝を意味もなく昇天させてしまった。すまない。早速わずかな残りを川原から拾い上げ、軽トラに積んで石釜まで運んだ。