ふたたびの瀞ホテル

 ゴールデンウイークの真っただ中、紀伊半島にはたくさんの観光客が訪れていることだろう。

 

 中でも熊野三山那智の滝は筆頭と思われるが、ここの名物土産の那智黒石は、かつて金・銀などの貴金属の品位を判定するために、この黒い石にこすりつけたことから「試金石」と呼ばれた。

 

 すでに江戸時代から那智勝浦の土産品となっているようだが、実は那智勝浦町では産出しない。産出しているのは三重県熊野市神川町で、今日来ている熊野川の上流にある。

 

 もしかしたら、何万年もかかって、そのかけらでも流れ着いていないかと、二人で河原を捜したが、黒い石はそこそこあったが、それらしいち密な粘板岩は見つからなかった。