住民が減っていく

 昨日亡くなった人の通夜だった。彼女、つまりは母の妹で姉妹ばかりで家を継いだが、養子に迎えた夫は、3人の子供を残して若くして他界した。

 今日の通夜で、法蔵寺の若い住職が「厚子さんは信仰の深い方でしたと、先日亡くなった私の親が言ってました」と報告した。

 「いつものように夕食を食べて、夜なべをして、風呂に入って、そのまま逝かれました」と。

 残されたものには、何の負担もなく飛ぶ鳥のように去って行った。彼女の一生が幸せだったかどうかは詮索するつもりはないが、苦労したことで信仰心が篤くなったのかもしれない。