「もう」と「まだ」

 ここ連日、70歳で身罷った星野仙一のニュースで持ちきりだ。岡山出身の熱血漢は、高校・大学を経てプロに入り「打倒巨人軍」を自らの発奮材料として、野球人生を貫いた。

 人はその人生の終わりに、この世にどんな言葉を残すのだろう。おそらく、であるが「私は、与えられた人生を、もう十分に全うしました。では、さようなら」と残して逝った人は数少ないと思う。

 不意の天災、宗教に起因するテロや交通戦争、あげくは現実に順応できずに自ら命を絶った人など「まだ、この世にいたかった」という人は計り知れないだろう。

 株の世界で「まだはもうなり、もうはまだなり」という常套句があるが、人生にも通じるなあと、コスモ株の高騰に対応できなかった自分におおいに反省している。