語彙の衰え

 そもそも語彙(ボキャブラリー)と言うのは読書で蓄えられ、創作で鍛えられるものだと思っている。若いころに社内報の担当をさせていただいたおかげで、それなりに学習もし、年配の編集委員を集めて用語の講義を行ったこともある。後年、その先輩の一人が語るには「くそ生意気」な時代だった。

 今でもテレビのクイズ番組で出題される問題にも、そこそこ対応できているが、衰えは否めない。
 
 東京で勤めている頃は電車での読書を欠かさなかった。ある年には年間100冊にも及んだが、メガネを必須とする昨今では5冊にも及ばない。

 今朝、秋風の心地よさに誘われて書架にある文庫本を一冊持ち出して前のパラソルの下で読み始めた。林望、通称リンボウ先生の「書藪巡歴」という本だ。軽妙洒脱なエッセイストで好きな作家の一人だ。慶応大学時代に書誌学に打ち込んだ自身と師事した先生のことが描かれている。先人が残した書物がいかに貴重であるかをいうことを教えてくれる。

【今日の私。娘夫婦からもらったReeBokのボディシャツで姿勢を整える】