そうは見えても

 午後、サロンでラジオを聴きながらナンプレに挑んでいたら、車の老夫婦が道を尋ねた。「ホタルの湯はどう行くのですか、その先の広川ダムに行きたいのですが」と言うので、適当に道順を教えたが、私のたたずまいを見て「なんと優雅に暮らしていることでしょう、うらやましいわ」と感想を述べた。

 確かに、椅子に座って両足をテーブルの上に放り上げ、麦わら帽子で日除けしたスタイルは優雅に見えたことかも。反論するなら「これでも午前中はソフトボールの練習で、ひと汗かいてきたんだよ」と言うことくらいか。桜の花びらが風に舞い、行く春を惜しむころとなった。