やっぱりさだはいいわ

 21号のアホ台風が迷走して一日中雨を残した。そんな中、パソコン部屋でゲームをする私の足元にいたりキッチンのテレビの前で寝そべっていたナナが、都度私の腕を噛んで生理的欲求を訴えた。こちらも心得たもので傘を差して向かいの田んぼに連れて行けばちゃんと大小をしてくれる。ついでに早落ちの柿の実を食らうのも彼女の目的だ。
 そんな暇な一日だったが午後に、NHKの深夜に放送されているSONGSでさだまさしが二夜連続で出演しているのを母ちゃんが録画してくれているのを見た。感動のあまり涙を流しながら見入った。二日目には「さだまさし」という歌手も曲もあまり馴染みの無い20代の人を400人くらい集めた企画だった。が、彼ら彼女らも、その声、その歌詞に酔いしれた。(私もですが)
 東北地方の大震災に慰問に行ったコンサートの話が主だった。「震災でいとしい人を亡くした人がみんなが言うんです。こんなことになるんだったら」と。「こんなことになるのだったら、もっと家族に、もっとみんなに、親切に、優しく、喜んでくれることをしていたのに」と。
 「私ほど命がけでコンサートしている者はいないと思っています。誰もが明日生きているという保証はないのです。だから一生懸命になれるのです」と。さらに「歌の神様が私に歌を作りなさい、歌いなさい、そして人々に喜んでもらいなさいと言っているのです」とも言った。ミュージシャンをはじめ芸術家に共通している感覚でおおいに共感する。さしずめ私は神様に何を望まれているのかいまだに分からないでいます。