ハチ北の思い出

 明日からスキー仲間のNとSさんの3人で兵庫県北部のハチ北・神鍋に一泊のツアーに出る。三連休なのでハチ北の旅館街は満杯で、結局Nが鉢伏の観光協会を通じて何とか取ってくれた。
 ハチ北には「伝説の雪庇事件」の思い出がある。結婚して、広島へ転勤する前だったから30年近くになるが、Sさんと二人でハチ北にスキーに行った。当時は若かったからスキー中によくビールを飲んだ。そして当然もよおしてくる。ハチ北山頂のロープを張っているところで、スキーを履いたままストックでロープを跳ね上げて前に出て、二人とも用を足し始めた。ところが、おや?景色がおかしいぞ、と思った途端に右端の10メートルほど先から黒い亀裂が走ってきた。「あかーん、バックやー」と、収めるモノも収めずに転ぶようにバックすると、ドーーンという低い地響きを残して、今いたところがすっかりなくなったのだ。
 春になって雪が溶けたら「大きな人と小さな人が前を開けたままの状態で凍死しているのが発見された」というようなことにならなくて良かったと、その後二人で会うたびに話し合った。そのSさんは今回も73歳で頑張る。
<参考:せっぴ写真>