熊野の歴史本を買う

 29日の読売新聞和歌山版で紹介があった、新宮市に住む郷土歴史家の坂本顕一郎氏の本を、本人に連絡して買った。

 

 きっかけは、上富田町の生馬地区に、平維盛の遺構があることを知り、8月27日にバイクで訪れたことによる。背走した平家一族のことをもっと詳しく知りたいと思ったからだ。

 

 「驕れるもの久しからず」。平家が壇ノ浦の源平合戦で滅亡したのは1185年3月24日のことだった。今から837年前の出来事で、この時、清盛の妻二位尼(にいのあま)平時子は、8才の安徳天皇を抱いて海中に身を投じた、と私の本棚の「Japan Cronik日本全史」にある。

 

 さらに、同じページにこの戦の前の2月19日に「平維盛(これもり)が熊野に脱出して入水するなど、運命はしだいに傾いてきた」と書かれている。

 

 ところが、氏の本には「維盛はもちろん、海に沈んだはずの安徳天皇も引き連れていて那智勝浦の色川や龍神、伊勢などに隠れ住んで53歳の人生を全うした」と書かれている。

 さらに「自分はその末裔であることを確信した」とプロローグに書かれている。

 

 上下巻とも500ページに及ぶ大作だ。グーグルで紀伊半島の地図を見ながら、この矛盾を解いていこう。