7年前のあの日

 俺たちはホタルの湯の近くでカワセミの観測をしていた。暖かい日だったが、母ちゃんの携帯にばあちゃんから電話が入った。「千葉でえらいことになっちゃるで」と、将からの第一報を伝えてくれたのだった。

 帰ってテレビを見たら、この世のものとは思えない映像が何度となく放映された。自分にとっては「想定外」だったが、こんなこともあるんだなと、改めて自然の驚異を思い知らされた。

 被害にあった福島原発が三日後にメルトダウンを起こして爆発し、放射能を振りまいてしまった。

 その被害は農産物、海産物のほか、すべての産物に影響を与え、7年経った今でも風評被害が後を絶たない。

 でも、大阪で開催された福島展で、大阪のおばはんやおっさんが魚やコメを買って「7年もたったらもうええやろ」とか「全量検査してくれてるんで安心です」といったコメントがあったのは嬉しい。