東北楽天日本一

 楽天イーグルスが創設9年目で悲願の日本一を手にした。長い監督人生で初の日本一となった星野監督はもとより、選手、スタッフ、東北のファンだけでなく、日本中の巨人ファン以外の人が、快挙に酔いしれた。おめでとう。
 星野監督は優勝インタビューで「せめてスズメの涙ほどの恩返し」と応えていたが、二年前の3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震の復旧も道半ばの地元ファンには、これほど勇気を与えられたことはないだろう。そのファンの一人が「今ここにいない監督、選手を含めての日本一です」と言っていた。田尾でさんざんなスタートをし、野村再生工場が起動したが、発足当初の選手は4名しか残っていない。その内の一人牧田が第5戦で貴重な本塁打を杉内から放って優位に立った。どの試合も球史と心に残る接戦であった。
 それにつけても、もっと大騒ぎしてもよさそうな快挙だが、楽天チームも地元のファンもわきまえていると思ったのは私だけだろうか。やはり、背後には二年前の悲しみの海があることを忘れるわけにはいかない。