山の小鳥

 この時季は散歩中に熟柿や枇杷の花に群れるメジロをよく眼にする。黄緑色の小鳥で眼の周りに白い輪郭があり命名の由来となっている。和歌山県の県鳥でもある。今は捕獲禁止の野鳥であるが、子供の頃は競うように捕獲した。粘着性の強い市販のトリモチを細い竹ざおにくるくると巻いて、それを木の枝に仕掛けておくと、留まったメジロの両足がくっついてくるんとぶら下がる。それを丁寧に取り外して鳥かごに入れて飼ったりしていた。メジロを呼び寄せるための笛や、自分の歯笛などで「ツチッ、ツチー」という泣き声をまねて仲間を誘った。
 ”梅にウグイス”の図柄をよく見るが、ウグイスは人前にはめったに姿を現さない臆病な鳥で、梅に留まっているのは間違いなく花蜜好きのメジロである。色の混同もよく取り沙汰されるがウグイスは黄緑ではなく茶色っぽい。いずれにせよ山里の小鳥は種類が豊富である。近々望遠ズームのカメラを買って撮影し、HPに公開したいものだ。