最後のみかんを取る

 小学生の頃に親父が、向かいの畑に大きな穴を掘って、そこで焚火をして元肥として、その上にみかんの苗木を植えていた記憶がある。

 和歌山に帰って15年になる。その残りの木を管理してきたが、60年も経つうちに段々枯死が進んで、今は10本ほどしか残っていない。


 今日は、母ちゃんと二人で収穫し、子供たちに送る手配をした。あとは、切り倒してしまうつもりだ。

 我が家の生計に少なからず貢献してくれたみかんだが、数年前から「そうか病」に冒された木が多くて、毎年、薬剤散布で対応したが、実がもうひとつきれいにならないので決断した。


 ありがとう、ミカンたち。そしてありがとう親たち。